日々を綴る

      2005.6.水無月より

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器展


まるで、波打ち際で、お気に入りの貝殻を探すかのように。
光に当てたり、掌に乗せてみたり。
包み込むように、そっとやさしく。
波か風か自らか。
角ばるものは、みな削ぎ落とされ、まあるく、まあるくなってゆく。
うっとりともぼんやりともしながら、
その調度品に、海の香りを感じていた。

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二月の丘


大海原には、小さな船が浮かんでいて、
こっちだよ。
こっちで良いんだよ。
と色褪せた帆が、ハタハタとはためいて、私をこの場所へといざなってくれる。
だから、今年も二月の丘を目指した。
迷うことなく、ここへ辿り着いた。
いや、迷ったとしても、必ず、ここへ打ち寄せられるのだろう。
海が凪ぐように。
静かに、穏やかに。この丘に。

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雨上がりの丘


千鳥足で、納屋までの道をゆく。
よちよちとでも言うのか。
そろそろとでも言うのか。
昨日の雨で、足元がぬかるんでいる。
渡りきれそうにない所には、
飛び石みたいにブロックが、リズミカルに置かれていた。
そこを渡る時が、一番の千鳥足。
ぼんを抱っこして、おっとっと。

納屋が見える頃には、運動会が始まる。
バッタを追いかけて、駆け出すぼん。
捕まえるのかと思ったら、
「こわ〜い、こわ〜い」と言って、バッタに追いかけられていた。

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丘でのはなし


木漏れ日が眩しい土曜日の午後。
緑のあおが、濃くなりゆく丘を目指す。
上を見ても、
下を見ても、
どくどくと脈打つように、輝いている。
初夏の匂い。
もう準備は、ちゃんと出来ている。
そう私たちに囁いているみたいに。

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丘でのはなし


丘へは、ぼんとじいじと3人で出かけた。
大好きなじいじと一緒だから、
ぼんは、とても良い表情をしていた。
丘で遊んでいるぼんの声は、納屋まで届いていて、
私は、器を見ながら、心の中で微笑んだ。
遠くから聞こえるぼんの声。
海が凪ぐような、穏やかな気持ち。
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海のマグ


玉井さんの器展。
今年もこの季節に納屋へと向かう。
もうここ何年もの間、私の冬の恒例行事となっている。

やっぱり海のマグは、大らかだった。
大らかだろうと想像していた、その何倍も大らかで、それは、もう爽快なほどだった。
大らかと言うのは、大雑把と言う意味では、決してない。
豊かで深く、壮大だと言う意味だ。
やはりそれは、名前の通り、海のマグだったのだ。

手に取り、包み込む。
私のひとつをしっかりと選んできた。
海は、我が家と繋がっていた。
もう直ぐ、丘の海から旅立って、我が家と言う新しい島へと辿り着くだろう。
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密やかな雨


雨男と雨女が丘の上を訪ねると、
勿論、丘の上にも、しとしとと恵みの雨が降り注ぎ、
草花たちは色濃く、艶やかに輝きを放っていた。
湿り気を帯びた草原からは、生き物たちの息づかいが密やかに伝わってきた。
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愛情弁当


暫くすれば、太陽が夕日と言う名に変わる頃、調度品を受け取りに丘を目指した。
器は、一つ一つ丁寧に布で包まれ、表情のある紐できゅっと結ばれていた。
玉井さんが「娘を嫁に出す気持ち。」と貝がらとなりでおっしゃっていたように、
受け取る私は、母親からお手製のお弁当を持たせて貰ったような気持ちになった。
愛情たっぷりのお弁当。
包みをそっとひも解くと、金柑の実とお手紙が添えられていた。
真っ直ぐな言葉に心がぎゅっとなる。
まるであの場所へ訪れると心が震えるみたいに、
密やかに心の奥で何かが遠吠えをした。
大切に大切に愛しもう。
託された器は、日々を照らす灯となるだろう。
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日が落ちる頃 丘の上で


雪が舞い散る頃、丘を目指して、
調度品と名付けられたうつわたちを見に行く。
夕暮れ時の丘の上は、
怖いくらいに静まり返り、
木々がざわめく音と
風のうねる声だけが響いていた。
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丘に星が舞い降りる日



実家の父が「七夕サミット」なるものがあると以前話してくれた。
織姫と彦星伝説。
誰しもが夜空を見上げ、願い事をそっと囁くそんな夜。
瞬く星が見える夜空も良いけれど、少し雲で霞んだ七夕の夜空も奥ゆかしくて良い。
織姫と彦星は、きっと雲の上で幸せな再会を遂げているだろう。
みんなに見つめられると、恥ずかしいに違いない。

今年もまた星が舞い降りる日に、丘を目指す。
裏庭では、七夕の夕べの準備が既に始まっていた。
納屋へと続く道の途中、目を閉じて心地良さそうにギターを弾く青年に出会った。
邪魔をしないように、そっと彼の前を通った瞬間、その音色に心が反応した。
切ない音色。
そう聞こえたのは、私が少し感傷的だったせいかも知れない。
音色は心と共鳴している。

生い茂る緑に包まれた納屋へ辿り着く。
鮮やかな紫陽花が生き生きと顔を覗かせて、桜の木には、沢山の短冊が吊るされていた。
風が吹く度、ひらひらと短冊が揺れ、まるで雨の滴のように美しかった。
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